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二世市川高麗蔵の志賀大七

二世市川高麗蔵の志賀大七

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寛政六年五月、桐座上演の「敵討乗合話」の内の敵役の志賀大七を描いた作品です。この絵は色彩でも構図でも実に単純な絵ですが、それだけに印象的で感銘に力強いものが感じられます。焦点はその顔。長い顔に高い鼻、しゃくられた長い顎、紅の眼隈に彩られた、ぐっと睨みをきかせたくぼんだ眼の光、三世高麗蔵の特異な顔が目前に迫ってくる思いがします。さらに効果を出しているのが内懐から出して、刀の柄頭を握ったポーズ。黒の着付けがさらにこの絵に雰囲気を盛り上げています。そしてこの単純な色彩に、着物の裏の濃い茶色とほんのわずかにのぞいた襦袢の赤が加わることで、高麗蔵という役者のもつ色気を表現しています。そこに写楽の役者描写の極致があるのです。 三代目市川高麗蔵は、四代目の実子で安永元年九歳のとき高麗蔵という名になりました。天明三年に立役に、寛政十年に実悪となり、享和元年に五世幸四郎を襲名しました。眼はくぼみ、瞳は小さく凄みがあり、鼻の高いのが特徴で俗に「鼻高幸四郎」と呼ばれました。若い時はやつし方でしたが、実悪に転じてからは名声を高めました。芸風は繊巧で豪放、しかも写実的。一世の名優として天保九年五月、七十五歳で没しました。


東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)

生没年不詳
寛政6年(1794)、浮世絵界に彗星のように登場し、わずか10ヶ月の作家活動の間に140数点もの浮世絵を世に送り出すと忽然と姿を消しました。写楽は大判のしかも背景を高価な黒雲母摺という尋常ならぬデビューを果たしました。版元の蔦屋重三郎は、歌麿が重三郎の専属を離れたのちに大々的に写楽を売り出しましたが、次第に大判が少なくなっていきます。その理由として、写楽の人気役者であろうと美化せずに、ありのままを描きとる筆致は、役者ファンをはじめ当時の人々の好みに合わなかったからなのかもしれません。しかし、どれも躍動感にあふれた役者絵は見る者に強烈なインパクトを与え、海外でも高い評価を得ています


東洲斎写楽選 東洲斎写楽
写楽の作品が重んじられる理由のひとつに、その遺品が少ないということにあります。また残念ながら写楽の芸術を理解し、認識したのは日本ではなく海外が先でした。日本人が彼の作品を認めない間に、多くの作品は海外に流れ、その芸術が絶賛されたのです。昭和18年、海外から持ち帰った松方コレクションが博物館に入り、その数も増した程度であり、こうした限られた少数の作品を復刻したのがこの40作品で、いずれも写楽の大傑作です。

寸法:横21cm×縦31cm

用紙:越前生漉奉書

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