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三世坂田半五郎の藤川水右衛門

三世坂田半五郎の藤川水右衛門

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寛政六年五月、都座上演の「花菖蒲文禄曽我」に登場する大敵役の藤川水右衛門を描いた作品です。藤川水右衛門の名は、歌舞伎狂言の敵役中でも、有名な大悪逆人で知られています。写楽はこの大悪人を印象的に描いて半身図中屈指の傑作としています。着物は薄墨、襟の黒、袖口の濃緑、ただそれだけの地味な色彩でこの絵はまとめられおり、最少の配色で最大の効果を見せるのは写楽の技量がなせる業で、この図は最もよい例のひとつとなっています。またこの絵の優れた点は、その顔面描写にあります。突き出した顔は不気味で、鬼気があり、凄みがあり、ぐっと見る人に迫ってくる思いがします。眼隈が薄墨であるのも大悪人の雰囲気さらに盛り立てています。 三世坂田半五郎は、当時実悪の「上々吉」で、悪方の役者として認知されており、前名は坂東熊十郎、天明三年に三世を継ぎました。寛政六年は二世半五郎の十三回忌にあたるので、二世の当たり役水右衛門を先代追善のために、この狂言を上演したといいます。しかし半五郎は志半ばの翌年の六月、三十九歳で没しました。


東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)

生没年不詳
寛政6年(1794)、浮世絵界に彗星のように登場し、わずか10ヶ月の作家活動の間に140数点もの浮世絵を世に送り出すと忽然と姿を消しました。写楽は大判のしかも背景を高価な黒雲母摺という尋常ならぬデビューを果たしました。版元の蔦屋重三郎は、歌麿が重三郎の専属を離れたのちに大々的に写楽を売り出しましたが、次第に大判が少なくなっていきます。その理由として、写楽の人気役者であろうと美化せずに、ありのままを描きとる筆致は、役者ファンをはじめ当時の人々の好みに合わなかったからなのかもしれません。しかし、どれも躍動感にあふれた役者絵は見る者に強烈なインパクトを与え、海外でも高い評価を得ています


東洲斎写楽選 東洲斎写楽
写楽の作品が重んじられる理由のひとつに、その遺品が少ないということにあります。また残念ながら写楽の芸術を理解し、認識したのは日本ではなく海外が先でした。日本人が彼の作品を認めない間に、多くの作品は海外に流れ、その芸術が絶賛されたのです。昭和18年、海外から持ち帰った松方コレクションが博物館に入り、その数も増した程度であり、こうした限られた少数の作品を復刻したのがこの40作品で、いずれも写楽の大傑作です。

寸法:横21cm×縦31cm

用紙:越前生漉奉書

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