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四世松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛

四世松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛

通常価格 ¥8,500 JPY
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寛政六年五月、桐座の「敵討乗合話」へ登場した肴屋吾郎兵衛を描いた作品です。この役は松下造酒之進の娘、高城野、しのぶの姉妹に助刀をして、親の敵志賀大七を討たせる義侠の魚屋を演じたものでした。この絵では、黒い幅広いどてらの襟が色彩の基調となり、その外には袖口の草、煙管の黄と紅がほんの小さい部分に配され、大部分は黒襟に対してどてらの濃紫色の地味な配色になっています。背色の黒雲母とともに暗い色の間に小さな明るい色の点綴が効果をみせ、その色彩感は写楽独特のものとなっています。 四世松本幸四郎は、天明から寛政時代へかけての名優で容姿と風采と音声と弁舌に優れ、つねに寡黙ではありますが、口を開けば皮肉であり、人々を笑わすといわれた性格でした。また生涯のほとんどを白塗りの役ばかり演じたといわれていましたが、この性格と特徴を写楽は十分とらえています。左の袖口へ入れた左手の線や左の肩から煙管をもつ手への線の柔らかさ、眼に紅の隈を入れた派手さなどの表現がまさにそれにあたります。四世幸四郎は、女形瀬川菊之丞の門から四世団十郎の門に移り、染五郎、高麗屋の名をへて幸四郎となりました。享和二年六月、六十六歳で没しました。


東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)

生没年不詳
寛政6年(1794)、浮世絵界に彗星のように登場し、わずか10ヶ月の作家活動の間に140数点もの浮世絵を世に送り出すと忽然と姿を消しました。写楽は大判のしかも背景を高価な黒雲母摺という尋常ならぬデビューを果たしました。版元の蔦屋重三郎は、歌麿が重三郎の専属を離れたのちに大々的に写楽を売り出しましたが、次第に大判が少なくなっていきます。その理由として、写楽の人気役者であろうと美化せずに、ありのままを描きとる筆致は、役者ファンをはじめ当時の人々の好みに合わなかったからなのかもしれません。しかし、どれも躍動感にあふれた役者絵は見る者に強烈なインパクトを与え、海外でも高い評価を得ています


東洲斎写楽選 東洲斎写楽
写楽の作品が重んじられる理由のひとつに、その遺品が少ないということにあります。また残念ながら写楽の芸術を理解し、認識したのは日本ではなく海外が先でした。日本人が彼の作品を認めない間に、多くの作品は海外に流れ、その芸術が絶賛されたのです。昭和18年、海外から持ち帰った松方コレクションが博物館に入り、その数も増した程度であり、こうした限られた少数の作品を復刻したのがこの40作品で、いずれも写楽の大傑作です。

寸法:横21cm×縦31cm

用紙:越前生漉奉書

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