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八世森田勘弥の駕舁鶯の治郎作

八世森田勘弥の駕舁鶯の治郎作

通常価格 ¥8,500 JPY
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寛政六年八月、桐座上演の切狂言の「四方錦故郷旅路」に登場する松本米三郎の仲居おつゆの役を描いたものです。芝居は近松物の心中狂言としてよく知られた桜川忠兵衛の狂言で、この役は新町井筒屋、忠兵衛の封印切りの場に出る役でした。この絵は第二期の細判作品のなかで一、二を争う佳品で、いくつかの三角形の集積によって人物の構図を作り上げ、写楽独特の立体美を見せています。しかも描線はなんの誇張もなく、ごく自然な立体像を描き出し、写楽の奥行きと厚味のある芸術が表現されています。色彩はベニガラ色の着物と黒襟と黒い帯が背色の黄摺りとよく調和し、重厚味が発揮されています。襦袢の襟の前垂れの薄藍がまた絶妙な配色になっています。 松本米三郎は、女形の四世芳沢あやめの子として生まれ、のち四世松本幸四郎の門に移り、松本米三郎となりました。若女形としての人気が高く、中山富三郎、岩井粂三郎と三幅対といわれていました。写楽は第一期の大判半身画でも米三郎を描いています。


東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)

生没年不詳
寛政6年(1794)、浮世絵界に彗星のように登場し、わずか10ヶ月の作家活動の間に140数点もの浮世絵を世に送り出すと忽然と姿を消しました。写楽は大判のしかも背景を高価な黒雲母摺という尋常ならぬデビューを果たしました。版元の蔦屋重三郎は、歌麿が重三郎の専属を離れたのちに大々的に写楽を売り出しましたが、次第に大判が少なくなっていきます。その理由として、写楽の人気役者であろうと美化せずに、ありのままを描きとる筆致は、役者ファンをはじめ当時の人々の好みに合わなかったからなのかもしれません。しかし、どれも躍動感にあふれた役者絵は見る者に強烈なインパクトを与え、海外でも高い評価を得ています


東洲斎写楽選 東洲斎写楽
写楽の作品が重んじられる理由のひとつに、その遺品が少ないということにあります。また残念ながら写楽の芸術を理解し、認識したのは日本ではなく海外が先でした。日本人が彼の作品を認めない間に、多くの作品は海外に流れ、その芸術が絶賛されたのです。昭和18年、海外から持ち帰った松方コレクションが博物館に入り、その数も増した程度であり、こうした限られた少数の作品を復刻したのがこの40作品で、いずれも写楽の大傑作です。

寸法:横21cm×縦31cm

用紙:越前生漉奉書

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