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尾上松助の松本造酒之進

尾上松助の松本造酒之進

通常価格 ¥8,500 JPY
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寛政六年五月、桐座の狂言、「敵討乗合話」の内の役を描いた作品です。浪人した上、貧困のうちにあって、志賀大七(二一座)のために殺害される役ですが、その寂しく疲れた不運な生活を送る造酒之進の役柄の境遇、性格が画面ににじみでています。着物は地味な濃緑一色で、のびた月代、鼻の下やあごに薄くのびた髭、うつろのような眼にそのやつれが如実に感じられ、まさに芸質の再現です。扇子をもつ手にも力がなく、そこにもうらぶれた浪人の境涯が感じられます。 松助は、後に松緑となり、息子が三世尾上菊五郎であり、文化時代に名優となりました。「小幡小兵次」や「天竺徳兵衛」といった怪物もの、ケルン物を演じて名を成しました。文化十二年、七十三歳で没。この五月狂言でも敵役佐々木岸柳を勤めていますが、写楽はことさらにこの造酒之進の方を描いていました。それもこの陰影の多い役柄に魅せられた結果と考えられ、いかにも写楽らしさが感じられます。


東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)

生没年不詳
寛政6年(1794)、浮世絵界に彗星のように登場し、わずか10ヶ月の作家活動の間に140数点もの浮世絵を世に送り出すと忽然と姿を消しました。写楽は大判のしかも背景を高価な黒雲母摺という尋常ならぬデビューを果たしました。版元の蔦屋重三郎は、歌麿が重三郎の専属を離れたのちに大々的に写楽を売り出しましたが、次第に大判が少なくなっていきます。その理由として、写楽の人気役者であろうと美化せずに、ありのままを描きとる筆致は、役者ファンをはじめ当時の人々の好みに合わなかったからなのかもしれません。しかし、どれも躍動感にあふれた役者絵は見る者に強烈なインパクトを与え、海外でも高い評価を得ています


東洲斎写楽選 東洲斎写楽
写楽の作品が重んじられる理由のひとつに、その遺品が少ないということにあります。また残念ながら写楽の芸術を理解し、認識したのは日本ではなく海外が先でした。日本人が彼の作品を認めない間に、多くの作品は海外に流れ、その芸術が絶賛されたのです。昭和18年、海外から持ち帰った松方コレクションが博物館に入り、その数も増した程度であり、こうした限られた少数の作品を復刻したのがこの40作品で、いずれも写楽の大傑作です。

寸法:横21cm×縦31cm

用紙:越前生漉奉書

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