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岩井喜代太郎の二見屋娘お袖

岩井喜代太郎の二見屋娘お袖

通常価格 ¥8,500 JPY
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寛政六年七月、河原崎座上演の二番目狂言「桂川月思出」に登場する二見屋という宿屋の娘役を描いた作品です。 この絵は写楽第二期作品で、黄摺背色に、さらに黄八丈の縞を着物に描いたところが写楽の大胆な色彩感覚を表現しています。全体にこの黄っぽい色彩をかっきりと引きしめているのが、黒い襟と裾廻し、そして濃緑の帯です。この二つの色の寸分の狂いのない位置の効果には、素晴らしい写楽の芸術感に現れています。さらにこの絵を見事にしているものに、姿態の彎曲した歌舞伎の女形の女性らしい描写があります。左手の位置、そのもつ長煙管と左手で煙草をつめている、その左手の位置がその女形らしい姿を際立させています。


東洲斎写楽(とうしゅうさい しゃらく)

生没年不詳
寛政6年(1794)、浮世絵界に彗星のように登場し、わずか10ヶ月の作家活動の間に140数点もの浮世絵を世に送り出すと忽然と姿を消しました。写楽は大判のしかも背景を高価な黒雲母摺という尋常ならぬデビューを果たしました。版元の蔦屋重三郎は、歌麿が重三郎の専属を離れたのちに大々的に写楽を売り出しましたが、次第に大判が少なくなっていきます。その理由として、写楽の人気役者であろうと美化せずに、ありのままを描きとる筆致は、役者ファンをはじめ当時の人々の好みに合わなかったからなのかもしれません。しかし、どれも躍動感にあふれた役者絵は見る者に強烈なインパクトを与え、海外でも高い評価を得ています


東洲斎写楽選 東洲斎写楽
写楽の作品が重んじられる理由のひとつに、その遺品が少ないということにあります。また残念ながら写楽の芸術を理解し、認識したのは日本ではなく海外が先でした。日本人が彼の作品を認めない間に、多くの作品は海外に流れ、その芸術が絶賛されたのです。昭和18年、海外から持ち帰った松方コレクションが博物館に入り、その数も増した程度であり、こうした限られた少数の作品を復刻したのがこの40作品で、いずれも写楽の大傑作です。

寸法:横21cm×縦31cm

用紙:越前生漉奉書

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